副業の経費、どこまで認められる?税理士がよくある例で解説

副業の経費、どこまで認められる?税理士がよくある例で解説

会社員として働きながら副業をしている方や、フリーランスとして活動を始めたばかりの方から、よくいただくご相談のひとつが、

「これは経費にしてもいいですか?」

というものです。

パソコン代、スマホ代、カフェ代、交通費、家賃、電気代など、副業に関係していそうな支出はたくさんあります。

ただし、何でも経費にできるわけではありません。

この記事では、副業の経費として認められやすいもの・注意が必要なものを、よくある例をもとにわかりやすく解説します。

目次

そもそも経費とは?

副業の収入について確定申告をする場合、基本的には、

収入 − 必要経費 = 所得

として計算します。

つまり、副業で得た収入そのものではなく、そこから必要な経費を差し引いた「所得」に対して税金がかかるイメージです。

副業の所得が雑所得にあたる場合でも、事業所得にあたる場合でも、売上を得るために必要な支出は必要経費として考えることができます。

経費になるかどうかの判断基準

経費になるかどうかを考えるときのポイントは、次の3つです。

  1. 副業の売上を得るために必要な支出か
  2. 仕事との関係を説明できるか
  3. 領収書や明細などの証拠が残っているか

たとえば、デザインの副業をしている方がデザインソフトを購入した場合は、仕事との関係が明確です。

一方で、プライベートでも使っているスマホ代や自宅の家賃などは、仕事に使っている部分だけを経費にする考え方になります。

よくある経費の例

パソコン・スマホ・タブレット

副業で使うパソコンやスマホ、タブレットは、経費にできる可能性があります。

ただし、プライベートでも使っている場合は、全額ではなく仕事で使っている割合だけを経費にします。

たとえば、スマホを副業と私用の両方で使っている場合は、使用時間や用途に応じて按分します。

経費として考えられる例:

  • 副業用のパソコン購入費
  • スマホ通信費
  • タブレット端末
  • 周辺機器
  • Webカメラ、マイク、モニターなど

高額なパソコンなどは、一度に全額を経費にするのではなく、減価償却が必要になる場合があります。

通信費

副業で使うインターネット代、スマホ代、サーバー代なども経費の対象になります。

ただし、自宅のインターネット回線を家族やプライベートでも使っている場合は、仕事で使っている割合を考えて按分します。

経費として考えられる例:

  • 自宅のWi-Fi代
  • スマホ通信料
  • レンタルサーバー代
  • ドメイン代
  • Zoomなどのオンラインツール利用料

家賃・電気代

自宅で副業をしている場合、自宅の家賃や電気代の一部を経費にできることがあります。

このように、仕事とプライベートの両方に関係する費用を「家事関連費」といいます。

家事関連費は、仕事に使っている部分を合理的に区分できる場合に、その部分を経費として計上します。

たとえば、自宅の一部を作業スペースとして使っている場合は、作業スペースの面積に応じて家賃を按分する方法があります。

電気代については、作業時間や使用状況に応じて按分することが考えられます。

「なんとなく半分」ではなく、面積や使用時間など、説明しやすい基準で計算することが大切です。

交通費

副業の打ち合わせ、取材、納品、セミナー参加などのために移動した交通費は、経費にできる可能性があります。

経費として考えられる例:

  • 電車代
  • バス代
  • タクシー代
  • 駐車場代
  • 高速道路代
  • 出張時の宿泊費

プライベートの旅行や買い物のついでに発生した費用は、仕事との関係を明確に説明できる部分だけを考える必要があります。

カフェ代・飲食代

カフェで作業した場合のコーヒー代や、取引先との打ち合わせで使った飲食代は、経費になる場合があります。

ただし、ここは判断に迷いやすいところです。

単に「カフェで作業したから全部経費」というよりも、「誰と、何のために、どの仕事に関係して使ったのか」を記録しておくと安心です。

経費として考えられる例:

  • 取引先との打ち合わせ
  • 外部スタッフとのミーティング
  • 作業場所として利用したカフェ代

レシートの裏や会計ソフトのメモ欄に、内容を残しておくのがおすすめです。

書籍・セミナー・講座代

副業に必要な知識やスキルを身につけるための書籍、セミナー、講座代も経費になる可能性があります。

経費として考えられる例:

  • Web制作の技術書
  • ライティング講座
  • 会計ソフトの使い方講座
  • 業務に関係する資格の学習費用

ただし、趣味や一般教養に近いものは、経費として認められにくい場合があります。

副業の内容とどう関係しているかがポイントです。

広告宣伝費

副業の集客のために使った費用は、経費として考えやすいものです。

経費として考えられる例:

  • ホームページ制作費
  • SNS広告費
  • チラシ作成費
  • 名刺作成費
  • ポートフォリオサイトの運営費

副業を広げていくために必要な支出であれば、きちんと記録しておきましょう。

経費にしにくいもの

次のような支出は、経費にするのが難しい、または注意が必要です。

  • プライベートの食事代
  • 仕事と関係のない洋服代
  • 家族や友人との飲食代
  • 私用の旅行代
  • 所得税、住民税、国民健康保険料
  • 交通違反の反則金など

「仕事でも使うかもしれない」だけでは不十分です。

副業の売上を得るために必要だったと説明できるかどうかを基準に考えましょう。

領収書がない場合はどうする?

経費にするためには、領収書やレシート、クレジットカード明細、銀行振込の記録などを残しておくことが大切です。

領収書がない場合でも、支払先・日付・金額・内容がわかる資料があれば、経費として説明できる場合があります。

たとえば、交通費で領収書がない場合は、日付・行き先・目的・金額をメモしておくとよいでしょう。

迷ったときは「説明できるか」で考える

経費になるかどうか迷ったときは、

「税務署や税理士に聞かれたときに、仕事との関係を説明できるか」

を考えてみてください。

説明できる支出であれば、経費として検討できる可能性があります。

反対に、自分でも説明が難しいものは、無理に経費にしない方が安心です。

まとめ

副業の経費は、売上を得るために必要な支出であれば認められる可能性があります。

ただし、プライベートでも使っているものは、仕事で使っている部分だけを按分する必要があります。

特に、スマホ代・家賃・電気代・カフェ代などは、判断に迷いやすい項目です。

日頃から領収書や明細を残し、何のために使ったのかを記録しておきましょう。

「これは経費になる?」「どこまで按分していい?」と迷ったときは、自己判断で進める前に税理士へ相談するのがおすすめです。

この記事を書いた人

佐々木 梨絵のアバター 佐々木 梨絵 代表社員・税理士

徳島県徳島市出身。
信託銀行に勤めたのち、東京、大阪の大手税理士法人で相続税申告、相続対策コンサルティング、事業承継案件に従事。2024年、SSK税理士法人代表税理士。
資産規模の大きな個人や上場企業オーナーの案件から小規模案件、国際相続案件まで相続税申告の経験が豊富。また、金融機関でのセミナー講師やコラムなどの執筆も手掛ける。

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